BLOGTOP » スポンサー広告 » TITLE … 「僕から君へ」5のお題 【AngelBeats!音無さんと直井】BLOGTOP » SS » TITLE … 「僕から君へ」5のお題 【AngelBeats!音無さんと直井】

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「僕から君へ」5のお題 【AngelBeats!音無さんと直井】

お題はココロノカタチさんから頂きました。
音無さんとだからホントに久しぶりのデレ直井です(^^;


「僕から君へ」5のお題 


・世界に色が溢れる
(分かるかな、全部君がくれたんだよ)

・どうしても「ありがとう」が言えなかった
(きっと今でも言えないままだと思うけど)

・優しい優しい君だから
(大丈夫、僕は傷つかない)

・とびっきりの笑顔を君に
(ばいばい大好き)

・僕と君との物語
(悲しいばかりじゃなかったと信じて)


 → 意図したわけではないのですが5題とも直井の一人称になりました。
   よろしければどうぞです(^^)


****** ▼ 追記記事 ▼ ******

◆ ・世界に色が溢れる
 (分かるかな、全部君がくれたんだよ)





通学路を歩きながら、なんとなく空をみあげた。
瞳に映る空は抜けるように青くて、
吸い込まれそうな藍に、僕は思わず息をのむ。

一昨日まではずっと、空はどんよりと曇っていた。
その色が異常である事を、不思議に思う事すらなかった。
だって、そうだろう。
輝くものが存在しない灰色の筒は、
いくら振っても中身が色づく事なんてないのだから。

生前僕は、自分(あやと)のビーズを抜いた筒に兄(たけと)というビーズをつめた。
死後の世界で、自分自身を取り戻す為に兄のビーズを取り除いたけれども、
それだけでは失った「あやと」のビーズを取り戻す事はできなかった。

だから変わりに、「絶対的な価値」を求めた。
そうしたら世界は、
灰色ではなくなるのだと信じていたから。

だけど――――――――――――――


「直井??」


――――――――――その声は福音。

探していたビーズはずっと僕の靴の下にあって、
ここにあるよと優しく教えてくれた、たった一つの恵みの音色。

「!!音無さん!!おはようございます!!」
「そっか。同じ寮なんだもんな。一般生徒の登校時間に学校に向かえば直井に会うのは当たり前か。」
「そうですね!!もし良かったら学校までご一緒できませんか!!」

かけよってくる僕を見て苦笑してる音無さんの後ろに広がるのは、ずっと忘れていた藍色の空。

貴方がくれた真っ青な世界に目を細めながら
僕は自分自身を取り戻させてくれたこの出会いに感謝する。


ねえ、音無さん、ご存知ですか?
――――――――――――――――この藍は、全部貴方がくれたんですよ。








◆ ・どうしても「ありがとう」が言えなかった
 (きっと今でも言えないままだと思うけど)







横顔を見上げるのが、いつの間にか癖になっていた。

目が合うと苦笑されて、なにか用か?と優しく聞かれる。
その声の暖かさがものすごく嬉しくて、同じ位ずっと困っていた。

僕はずっと、音無さんにありがとうを言いたかった。

僕は神だけど、
始めて神様に感謝したこの出会いにいつか別れが来るのならば、
その時に残す言葉は、「ありがとう」が一番ふさわしいと思っていたから。

「なあ?やっぱり何かいいたい事があるんじゃないのか?」
「ないですよ。ただ、音無さんをみてるだけです。」

気持ちを伝える事は本当に難しくて、
今でもどう伝えれば、自分の中の気持ちを伝え切れるのかなんてわからない。
一生懸命に音無さんの背中を追いかけて、
以前よりも音無さんを知ることができたけれども、
それでも―――――

「・・・やっぱり何か言いたい事あるんだろ?」
「いえ、取り立てて今はないです。」
「あのなぁ。用事がないのにじーーとこっち見られても困るんだけどな。」

困った顔で苦笑する音無さんをみあげながら、
モラトリアムの幸せを僕はこっそりと噛みしめた。




いえないことはもどかしくて、
とても寂しい事ではあるけれども

――――――――――――――同じ位、幸せな事なのだから。







◆ ・優しい優しい君だから
 (大丈夫、僕は傷つかない)






「・・・・直井はもう、俺がしようとしている事に気付いているんだろ?」

音無さんの茜色の瞳が、真っ直ぐに見つめてくる。
僕の真意を確かめようとするように。

「はい、それは勿論気付いていますが・・・。」
「本当に、お前はそれでいいのか?」

音無さんはどこか辛そうで、ほんの少しだけ後ろめたそうだった。
やっぱり、あの愚民娘を送ったのは、とてもとても辛かったのだろう。

こういう時、音無さんは少し難儀な方だと思う。
誰かの為にいつも頑張っているだけでもとても大変な事なのに、
人の痛みまで余計に背負っていたらいつかきっとその重荷に潰れてしまう。

だから僕が音無さんの為に出来る事は
出来るだけきっぱりと断言して、その背中を押す事だけだと思った。

「はい。それでいいと思っています。」

まっすぐに、茜色の瞳を見返した。
強すぎないように、弱すぎないように。

元々、今僕の手の中にあるものは全部音無さんがくれたものだ。
なら、なくなる時も全部貴方がきめてくれればいい。
自分から手放せるほどには、僕はまだ強くはないけれども、
音無さんの思いだけは信じることが出来るのだから。

そんな僕を見て、ほんの少しだけ嬉しそうに、
でもどこか悲しそうに音無さんは笑ってくれた。
・・・その笑顔だけで、僕にはもう十分だった。

「そっか。じゃあいくか。」
「そうですね。」

音無さんの歩いて行くその先がどこに続くのかわかってはいるけれども、
僕は躊躇わずに音無さんの後を追いかけた。

視線の先の音無さんの背中が、ほんの少しだけ普段より小さく見えて寂しかった。


  ねえ、音無さん。
  音無さんがこんなに傷ついていらっしゃるのに、
  僕が傷付く筈ないんじゃないですか・・・。


・・・ほんの少しでも、その痛みを一緒に背負う事が出来たらいいのにな。

でもそれは、人の痛みがわからない僕にはとてもとても難しい事で。

だからほんの少しだけ、
いつも音無さんの横にいる青色の背中が、
今日は普段とは違う意味でうらやましかった。









◆ ・とびっきりの笑顔を君に
 (ばいばい大好き)







笑い方なんて、忘れたと思っていた。


いつも不機嫌な、仏頂面の副会長。
遠くを見る目が綺麗だけれど、誰も傍に寄せ付けない近寄りがたい人。

―――――――――事故から突然腕の落ちた、陰気な直井の跡取り息子。

別に誰に何と言われたってどう思われたって、どうって事はなかった。
僕だって奴らが嫌いなのだから。

それでもあの人にだけは、
僕はいつも幸せなのだと、思っていてもらいたかった。

―――――――――ありがとうが言えないこの世界で、
         幸せを伝えられるのは、多分笑顔だけだと思っていたから。


丸めた卒業証書を膝の上におきながら、壇上の音無さんを見上げる。
相変わらずあの馬鹿と楽しそうに話しているのは、ほんの少しだけ悔しいけれども、
それでもまあ、さっきあの愚民は一応僕をねぎらってくれたのだから大目に見てやることにした。

・・・・・・・・・大丈夫。僕は最後まできっと、笑っている事が出来る。

昨日からまじないのように繰り返した言葉を、心の中でもう一度反芻する。

別れはやっぱりさびしいけれど、
それでも、
貴方がくれた翼は休むためのものではなくて羽ばたく為のものだから、
それはきっと、とても誇らしい事なのだ。

だから、
最後の瞬間は、とびっきりの笑顔で貴方に、感謝を伝えたいと思った。



――――――――――― 音無さん、あと少しでさよならですね。



壇上から降りてくる音無さんをみながら、聞えない言葉を語りかける。


――――――――――― 本当に、僕は貴方が大好きでした。


過去形にならない思いをわざと過去形にして、僕は穏やかに微笑んだ。









◆ ・僕と君との物語
 (悲しいばかりじゃなかったと信じて)








「兄がいたんです。」
「俺にも、妹がいたんだ。」

問わず語りの後に、音無さんが教えてくれた話。

小さな儚げな妹さんのお話。
清潔で小さな、人形の家のような箱庭の病棟。

音無さんの妹さんなら、きっと優しくて可愛らしい方だったんだろう。
けれどそんな彼女の終わりはとても悲しいものだった。
音無さんは本当に、とてもとても悲しそうに彼女の事を語っていた。

でも、聞いている僕にとってはその思い出は悲しいだけでもなくて・・・。

「・・・・・・初音も不憫な奴だったからなあ・・・。
 こんな世界があいつにもあって、青空の下で今笑ってるといいんだけどな。」

さびしそうに笑う音無さんを見ながら、僕はぽつりとつぶやいた。

「・・・でも、多分、音無さんの妹さんは、不幸ではなかったと思います。」
「??・・・なんでだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だって。」

・・・信じてもらえるだろうか。

ほんの少し不安だったけれども、
それでも真っ直ぐに音無さんを見上げた。

「最後まで音無さんは、妹さんの事だけを思ってくれていたじゃないですか。」

・・・誰にも思ってもらえない事は、とてもとてもさびしい。
自分の存在を捨ててしまいたくなるくらいにたまらなく悲しい。

人は思いだけでは、幸せにはなれないのかもしれない。
それでもその思いに意味はあったのだと、僕は信じたい。
――――――信じたいと、思う。

僕の視線を受けとめた音無さんは、びっくりした顔で目を丸くしていた。
ほんの少しだけ視線をそらして、もう一度僕を見る。
ごまかされたくなくてむきになって見上げる僕に、音無さんは根負けしたように笑った。

直井が、俺にここまでムキになるなんて珍しいな。

そんなふうに苦笑しながら。

「・・・・・・・・・どうして、そう思うんだ?」
「僕も兄がいた間は、
 悲しい事はあっても、辛いなんて思いませんでしたから。」
「・・・・・・・・・そうか。」

そのまま音無さんは無言で空をみあげた。
・・・その瞳が何を映しているのか、僕は知らない。
でもせめて、その瞳に映る世界が、穏やかなものであればいいなと願った。

「なら初音は、
 ――――――――――――――――幸せだったのかな――――――――。」
「・・・・・・わかりません。」

本当は頷きたかったけれど出来なかった。
僕は音無さんの妹さんじゃないから。
だけど

「でも僕は、不躾かもしれませんが、そう信じたいと思います。」
「・・・・・・そうか。」

刹那伸びてきた手は、僕の頭の学帽をもっていってしまった。
そのまま音無さんは芝生の上に寝転んで、太陽と自分の間に学帽で傘を作る。
そんな特に面白くもない事を少しだけ楽しそうな顔でやりながら、
傍らの僕の恩人は、暫くの間、抜けるような青い空を見あげていた。

「直井の兄さんは、
 ―――――――――いい兄さんだったんだろ?」
「はい、優しい兄でした。」
「そっか。」

声とともに、学帽は僕の頭に戻ってきた。
起き上った音無さんは学帽を僕の頭に戻しながら
ふっ切ったように笑ってくれた。

「じゃあお互い、悲しいだけでもなかったのかもしれないな。」
「!!――――はいっ!!そうですね!!」


――――――そう言ってくれる音無さんの声は
さっきよりずっと嬉しそうで、その響きがなによりも嬉しかった。







【後書】




お久しぶりです。
最近忙しくて長いお話を書く時間がなく
なんか書けないかな~って思った時にこのお題を思い出しました。

大体どれもそんな時間をかけず、
ぱっと浮かんだイメージで書いた短いお話です。
やっぱりお題はカップリングの方が書きやすいというか、
コンビだとなかなか落ちがつかないなあと思いつつ、
音無さん音無さん♪言ってる直井は
やっぱりとっても可愛いなあと思います(*^▽^*)
最近日向とのお話ばっかり書いてたのもあって
デレデレしてる直井がとっても新鮮で楽しかったです(笑)。

*** COMMENT ***

こんにちわ!

いつの間にか休止ではなくなっていたようで、また素敵なお話が読めてうれしいです♪

最後にAngelBeats!を見たのはずいぶん前なのに、お話を読んで直井の嬉しそうな顔や一生懸命な気持ちが鮮やかに思い出されました。

どうもこういう一生懸命なコに弱いです。
でも直井君、音無さんに会って驚くほど強くなりましたよね。いえ、態度は子犬みたいですけど、消える間際のの強さは、自分を絶対に認めてくれる人がいる、大好きだと思える人がいるということによって得られた強さだと思います。

どのお話も言葉の選び方も、使い方もキレイで心がふわっと暖かくなる美咲さんらしい素敵なお話でしたが、特に

>元々、今僕の手の中にあるものは全部音無さんがくれたものだ。
なら、なくなる時も全部貴方がきめてくれればいい。
自分から手放せるほどには、僕はまだ強くはないけれども、
音無さんの思いだけは信じることが出来るのだから。

特にこの部分が印象的でした。

直井君は、あの幸せを手放したかったわけではない。出来るならあのままでいたかったはず。
でも、ああすることを選んだのですよね。

全部音無さんにゆだねているように見えながら、最後の一番重要な決断はやはり直井がしていて、それが「信じること」のような気がしました。

では、色々大変だとは思いますが体調に気を付けてお過ごしくださいね。

こんばんは!

UTさんコメントありがとうございます(^^)。
休止に関しては御心配下さってたみたいで有難うございます。
長いお話を書くのはやっぱり落ち着かなくて難しいのですが
やっぱり書きたいなあって気持ちはあったので
ついお題を書いてリハビリしてました(笑)。

> でも直井君、音無さんに会って驚くほど強くなりましたよね。

音無さんを凄く慕ってるのが伝わってきた分、
最後我儘言わずにしっかり自立して見せたのが
ホント凄いなあって思いました。

正直12話まで見た時は、年明けた頃には
AB!ジャンルは卒業するつもりだったんです(^^;。
なのに13話の直井に全部持って行かれたというか・・・(^^;。
正直直井は最終話で駄々こねさせて音無さんに諭させる為に
残してるキャラだと信じてたので
余計13話が心に残ったんだと思います。

多分、始めて私が好きになった子で
救ってくれた人から自立した子だったから
やっぱり思い入れ強くて可愛いです(^^)。ぽかぽか★

> 全部音無さんにゆだねているように見えながら、
> 最後の一番重要な決断はやはり直井がしていて、
> それが「信じること」のような気がしました。

共感してくれて嬉しいです(>///<)!
ありがとうございます!!
8話とかホント成仏する気ゼロっぽかったですもんね(^^;。
・・・SSSの生活はアホばっかりでどたばたしてて
ホントにすごく楽しそうだったので
出来ればもう少し、皆とどたばたさせてあげたかったです。
それが出来なかった事はやっぱり残念ですが、
ホントに直井にとっては
音無さんから頂いた言葉だけで十分で、
だから音無さんの優しさを信じて卒業したんだって信じてます。

生まれ変わったら今度は優しい家庭に生まれて
幸せにすごしてほしいなと思います。
それくらいのサービスはこんな世界を作ってくれた神様なら
してくれるんじゃないかと都合よく信じてます(笑)。

> では、色々大変だとは思いますが
> 体調に気を付けてお過ごしくださいね。

ありがとうございます(><)。
相変わらずばたばたしてますが、無理せず頑張りたいです。
UTさんもどんどん暑くなってるので
体調に気をつけて頑張ってくださいです(^///^)。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

COMMENT投稿

管理人にだけ読んでもらう

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。